あなたの会社では職員のシフト表作成に苦慮していませんか。
筆者の会社のような医療・介護業界では、夜勤・深夜勤、2交代・3交代などによりシフト作成が複雑になりがちです。
実は大企業でも、エクセルなどを使用してシフト表を作成していたり、手書きで作成したりしている場合が多くあります。
しかし、近年は1クリックで自動シフト作成が可能なソフトウェアやサービスが多数存在しているのをご存知でしょうか。
今回は、自動シフト作成に関する知識や正しい選び方やサポート体制についてご紹介いたします。
シフト作成の難しさ
シフト作成する際に、そのパターンは多岐にわたる場合が多く、その中で最適解を人力で決定していく事は非常に難しい作業です。
例えば、1日のシフトで5人のスタッフの中から2人の出勤者を選ぶ場合でも、考えられるパターンは10通り。さらに、実際のシフト作成は、スタッフ数や種類、勤務条件、スタッフの希望、勤務時間や休みの回数など多岐にわたります。その中から最適なシフトパターンを導き出すには、苦行であることは間違いありません。
さらに、実際に作成しているシフト表はこんな簡単な問題ではありません。
サービスの質が求められる現代において、24時間365日営業している事業所も数多くあります。そうした事業所では早番、中番、遅番、夜勤、明け、2交代、3交代など数多くのシフトがあります。
もちろん労働基準法も厳守しなければいけません。
月の休みの回数や連続勤務の上限、労働時間も考え、勤務並びやスタッフの組み合わせも考える必要もあります。
さらに、スタッフの希望は、「休みたい」「勤務したい」だけでなく、「平日しか働けない」「遅番・夜勤はできない」など、そのスタッフの個別事情があった場合、シフト作成担当者の残業は確定です。
シフト自動作成ツールって?
シフト表を作成するソフトやサービスは、無料でエクセルのテンプレートがダウンロードできるものもあります。さらに、近年は利用者一人の金額設定で提供しているクラウドサービス、大企業向けのオーダーメイドによるシステム開発まで数多く存在します。
シフト自動作成システムには、利用者一人当たりの単価を設定し、提供しているクラウドサービスが多い傾向があります。
では各ベンダーが、何をもって「自動作成」と謳っているのでしょうか。
深く調べれば分かりますが、これは提供するベンダーによってバラバラです。
さらに「AI」という用語を使う企業もありますが、その実態としていわゆるディープラーニングできるAIではなく、コンピュータが解析し最適解を出すことを「AI」と呼称するベンダーもあります。
いずれのソフトやサービスも、事業所の状況や従業員の設定に合わせて数クリックでシフト作成してもらえますが、それぞれに得意とする条件設定があり、自会社に合わせたシステムを選定する必要があります。
シフトパターンを登録しておけば、自動で割り当てる
今までのようにエクセルなどでシフト作成していた場合は、シフトのパターンごとに登録しておく方法だったと思います。
各職員が基本的にパターン通りに働く職場では、これで問題ありません。
しかし、そのパターンの中にスタッフの希望や、どうしてもこの勤務をしてほしいというような希望が入ってきた場合はどうでしょう。中規模の職場になると、職員が増加しそういった要望も比例して増えていきます。
その都度、希望があったらそのパターンを一つずらしますか?
それとも一から作り直しますか?
そうした作業をシフト作成者自身が行わなければいけません。こうした業務の変更や一定でない勤務シフトを組む必要がある規模の会社では、ぜひシフト自動作成ツールをご検討ください。
シフトのパターン(早番→遅番→夜勤→明け→休みなど)を登録しておけば、1クリックでその順番に割り当てることできます。
また、「土日祝日は働けません」「月曜日だけは早番ができません」など個別事情があった場合は、その条件を組み込めば、その条件を反映したシフトを作成することができます。
これまでシフト作成者の記憶に頼りがちだった業務が、誰でも1クリックでできる業務に変貌します。
スタッフの希望集約ができる
希望休の取得について、これまでスタッフの希望を紙や口頭で集約していたり、共有のエクセルファイルに書き込んでもらったりしている事も多いと思います。
ただし、口頭であることによる聞き間違いや、エクセルへの転記ミスなどでシフト配置ミスが起こる可能性もあり、また集計する時間も必要となります。
シフト自動作成ソフトでは、各スタッフが持つスマホで、スタッフ自身が希望する休みや勤務を登録し、自動で集計することでシフト作成時に自動で反映できる機能が備わっています。
これにより集約する手間の軽減や、シフト表に転記する際に間違ってしまうようなミスを防ぐことができるようになります。
また、「月に○回までの希望休を取ることができる」と設定することができるため、公平に希望休を出して頂くことができるため、職員同士の不平不満も低減します。
勤務条件に合致するシフト表を自動作成してくれる
シフト自動作成ソフトでは企業独自の最適方法で各スタッフの希望や各種勤務条件を登録し、その制約条件に合致したシフト表を自動で作成いたします。
これまでのように、エクセルで1セル1セルを埋める作業は、ゼロになり、大幅に省力化することができます。
さらにこうした業務を行うのは大抵の場合、課長・係長クラスの役職者です。そうした方々の業務効率化は何倍にも会社に貢献するものになります。
ただし、初回の設定は勤務条件を細かく登録する必要があります。
大抵の場合は、ここで挫折しシステム導入を見送るケースが多いそうです。人間であれば感覚でわかることでも、システムは分かってくれません。最初の勤務条件の登録作業に時間がかかることは、覚悟しなければなりません。
この点はどのソフトを利用しても同じ点です。指定していない条件をシステムが勝手に良いように判断し、最適解を導いてくれる事は絶対にありません。
最初は大変だけど、今後の大切な時間を確保するための投資と思い、割り切って細かな設定をしていく必要があります。
まとめ
ベンダーのホームページを見て、パンフレットや提案資料を取り寄せて、デモを含めた話を聞くと、自分たちが抱える課題を解決できると感じると思います。
ソフト・サービスはさまざまなので、多くのベンダーと打ち合わせする事をお勧めします。
しかしながら、欠点がない完璧なものはないのが現実です。いかに自会社の業務に合うかどうかは、選定担当者が会社の業務について深く知る必要があります。
いくつかのソフト・サービスを見て触ってご自身が納得いくものを選ぶようにしましょう。
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