在宅医療・訪問看護のBCPの作り方|未策定減算・在支診の要件・安否確認

在宅医療・訪問看護のBCPの作り方|未策定減算・在支診の要件・安否確認

「BCP(業務継続計画)は作ってあるが、どの基準で求められているのか説明できない」「令和8年度改定で在宅療養支援診療所にもBCPが加わったと聞いたが、いつまでに何が必要か」。在宅医療では、介護保険の運営基準、医療保険の訪問看護の基準、診療報酬の施設基準がそれぞれ別にBCPを求めており、全体像がつかみにくくなっています。この記事では、在宅療養支援診療所や訪問看護ステーションの事務担当・管理者に向けて、根拠と期限を一次資料で整理し、作り方、安否確認リストと電源確保、研修・訓練の年間計画までを実務の順に解説します。

この記事でわかること

  • 介護保険・医療保険・在宅療養支援診療所の施設基準で、BCPがどう求められているか(期限と経過措置)
  • 業務継続計画未策定減算の対象と、研修・訓練をしていない場合の扱い
  • 厚生労働省の介護BCPひな形と、在宅医療向け「BCP策定の手引き」の使い分け
  • 人工呼吸器・在宅酸素の患者を含む安否確認リストと、電源確保の考え方
  • 研修・訓練の年間計画の例と、残しておく記録

BCPが求められる根拠は事業ごとに違う

在宅医療に関わるBCPの義務は一つの制度ではありません。同じ法人でも、介護保険の指定事業所、医療保険の指定訪問看護、診療報酬の施設基準で、根拠・期限・守れなかったときの影響が異なります。

介護サービス事業所:令和6年4月から全サービスで義務

令和3年度介護報酬改定で、すべての介護サービス事業者に、感染症や災害の発生時もサービスを続けるための業務継続計画の策定と、研修・訓練(シミュレーション)の実施等が義務付けられ、3年間の経過措置を経て令和6年4月から義務化されています。運営基準の条文(指定居宅サービス等基準第30条の2)は、①計画を策定し、計画に従って必要な措置を講じる、②従業者に周知し、必要な研修と訓練を定期的に実施する、③定期的に見直す、の3つで構成され、介護保険の訪問看護にも準用されています。

業務継続計画未策定減算(令和6年度介護報酬改定)

令和6年度改定で新設された減算です。感染症若しくは災害のいずれか又は両方の計画が未策定の場合や、計画に従って必要な措置が講じられていない場合に、基本報酬が減算されます。

区分 減算の幅 経過措置(いずれも終了済み)
施設・居住系サービス 所定単位数の100分の3 令和7年3月31日まで、感染症の指針と非常災害の具体的計画を整備していれば減算しない
その他のサービス 所定単位数の100分の1 同上
訪問系サービス(訪問看護を含む)・福祉用具貸与・居宅介護支援 所定単位数の100分の1 令和7年3月31日まで減算を適用しない
居宅療養管理指導・特定福祉用具販売 減算の対象外 ―

訪問看護ステーションの介護保険分は、経過措置が令和7年3月31日で終わっているため、2026年10月時点では、感染症と自然災害のどちらか一方でも計画がなければ減算の対象です。留意事項通知は、基準を満たさない事実が生じた月の翌月(その日が月の初日なら当月)から解消された月まで、事業所の利用者全員を減算すると定めています。

なお、令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.6)問7では、周知・研修・訓練・見直しの実施の有無は減算の算定要件ではないとされています。ただし運営基準上の義務であり、省略はできません。

訪問看護ステーション:医療保険側の基準にもBCPの規定がある

医療保険の指定訪問看護にも、「指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準」第22条の2に、介護とほぼ同じ構成の規定があります。令和4年4月施行の改正で設けられ、令和6年3月31日までは努力義務でした。医療保険と介護保険の両方で求められるため、両方の利用者をカバーする1つの計画を作り、双方の基準の項目を確認するのが効率的です。両者の区別は「訪問看護は医療保険か介護保険か」で解説しています。

居宅療養管理指導:令和9年3月31日まで努力義務

居宅療養管理指導にも第30条の2が準用されています(第91条)。令和6年度改定で、事業所のほとんどがみなし指定であること等を踏まえ、義務化の経過措置が3年間延長されました。省令附則では令和9年3月31日まで「講じるよう努めなければ」の努力義務の扱いで、減算の対象外です。令和8年8月の介護給付費分科会資料は、令和7年度時点の策定率が(回答事業所数に留意が必要としつつ)8割を超えるとし、経過措置があるサービスの取扱いを論点に挙げています。算定ルールは「医師の居宅療養管理指導の算定ルール」をご覧ください。

在宅療養支援診療所・病院:令和8年度改定で施設基準に追加

令和8年度診療報酬改定(6月施行)で、在宅療養支援診療所(在支診)・在宅療養支援病院(在支病)の施設基準に業務継続計画が加わりました。施設基準通知は、「BCP策定の手引き」(厚生労働省在宅医療の災害時における医療提供体制強化支援事業専門家委員会作成)等を参考に、在宅医療を提供する患者への医療を継続的に実施すること、非常時の体制で早期の業務再開を図ること、患者と職員の安全を確保すること等を目的とした計画を策定し、計画に従って必要な措置を講じ、定期的に見直すことを求めています。機能強化型(単独型・連携型)も従来型も同じ文言で、届出様式(様式11)にも「該当・非該当」で答える欄があります。

経過措置として、令和8年3月31日時点で在支診・在支病の届出を行っている医療機関は、令和9年5月31日までの間に限り、この要件を満たすものとされます。施設基準通知の「届出が必要なもの」の一覧には、在支診(一部の類型を除く)と在支病が「令和9年6月1日以降に引き続き届け出る場合に限る」として挙がっており、猶予後も継続するにはBCPを整えたうえで改めて届出が必要になると読めます(手続きは地方厚生局の案内で確認してください)。同じ改定で機能強化加算にもBCPの要件が加わり、既届出は令和9年5月31日まで要件に該当するものとみなされます。改定の全体像は「令和8年度診療報酬改定で在宅医療は何が変わったか」、在支診の要件は「在宅療養支援診療所と機能強化型の要件」で整理しています。

2027年春に期限が重なる:自院の該当を一覧で確認する

医療機関側の期限は令和9年(2027年)の3月末と5月末に集中しています。

対象 根拠 2026年10月時点 押さえる期限
介護保険の訪問看護・訪問介護など 指定居宅サービス等基準 第30条の2 義務(未策定は100分の1減算) 減算の経過措置は令和7年3月31日で終了
医療保険の指定訪問看護 指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準 第22条の2 義務 努力義務の経過措置は令和6年3月31日で終了
居宅療養管理指導 指定居宅サービス等基準 第30条の2(第91条で準用) 努力義務(減算なし) 令和9年3月31日まで努力義務
在支診・在支病 特掲診療料の施設基準(令和8年度改定) 既届出は経過措置中 令和9年5月31日まで要件を満たすものとされる
機能強化加算 基本診療料の施設基準(令和8年度改定) 既届出は経過措置中 令和9年5月31日まで要件に該当するものとみなす

見落としやすいのは、在支診の経過措置が「令和8年3月31日において現に届出を行っている」医療機関に限られる点です。令和8年4月以降に新たに届け出る場合は対象外と読めるため、届出時点でBCPが必要です(「在宅医療の開業・新規参入で必要な届出と体制づくりチェックリスト」も参照)。自院・自事業所では、次を確認してください。

  • 在支診・在支病、機能強化加算、居宅療養管理指導、訪問看護の届出・算定があるか。在支診等の届出日は令和8年3月31日以前か
  • BCPが感染症と自然災害の両方を備えているか。最終見直し日はいつか
  • 研修・訓練の実施記録が年度ごとに残っているか

使う資料を決める:介護BCPのひな形と在宅医療の「BCP策定の手引き」

BCPは白紙から書く必要はなく、厚生労働省の資料を事業の種類に応じて使い分けます。

資料 作成 向いている事業所 主な中身
感染症発生時/自然災害発生時の業務継続ガイドラインとひな形 厚生労働省老健局(令和2年12月初版、令和6年3月改訂) 介護保険の訪問看護・訪問介護・居宅介護支援など 感染症のひな形は入所系・通所系・訪問系、自然災害は共通ひな形とサービス固有の例示。Excel版と例示入りPDF、研修動画がある
BCP策定の手引き(診療所編/訪問看護編/入院医療機関編)とテンプレート 厚生労働省医政局事業「在宅医療の災害時における医療提供体制強化支援事業」専門家委員会 在支診・在支病、訪問看護ステーション Step1〜8で策定手順を解説。Excelのテンプレートとシミュレーション訓練のワークシートが研修資料として公開されている
診療所用業務継続計画(BCP)のひな形 日本医師会 診療所全般 疑義解釈(その12)で、在支診・機能強化加算のBCPを作る際に参考としてよいとされた

疑義解釈(その12、令和8年9月2日)問7は、どの資料を使う場合も、医療機関や地域の特性、市町村の個別避難計画等を踏まえて追加・削除したうえで記載し、計画を職員に適切に周知すること、定期的に更新することが望ましいことを示しています。介護のガイドラインは令和8年度中に所要の改訂が予定されていると分科会資料にあるため、改訂版が出たら差分を確認しましょう。

訪問看護ステーションは、介護のひな形(訪問系)を埋めつつ、手引き(訪問看護編)の安否確認の考え方を取り込むと作りやすいです。居宅療養管理指導も行う在支診は、手引き(診療所編)を軸に、感染症の部分を介護のガイドラインで補うと両方の基準に対応できます。

自然災害と感染症の2本立てで作る手順

介護の減算は「いずれか又は両方が未策定」で適用されるため、最初から2本立てにするのが確実です。被害の出方が違うので、共通部分(体制・連絡網・優先業務)と自然災害編・感染症編に分けると書きやすくなります。

観点 自然災害(地震・風水害など) 感染症
被害の中心 建物・設備や、道路・電気・通信などのインフラ 職員と利用者の健康(ヒト)
起こり方 兆候なく突発し、直後に通常業務が急減する 感染対策の業務が一時的に増え、その後、対応できる業務量が徐々に減る
業務継続の鍵 安否確認、拠点と移動手段、電源・通信の確保 出勤できる職員のやりくり、防護具などの備蓄、情報に基づく判断

作成は、手引きのStepに沿って次の順に進めます。

  1. 目的・基本方針と体制:誰が判断し、管理者が被災・感染したときは誰が代行するかの順位まで決める。
  2. リスクの把握:拠点、職員の自宅、主な訪問エリアのハザードマップを確認し、感染症の流行時の欠勤も見積もる。
  3. 初動対応:職員と患者の安否確認、参集基準、複数の連絡手段を決める。
  4. 業務の分類:「優先業務」「縮小業務」「一時休止業務」に分ける。手引きの判断基準は、患者の生命に直結するか、事業の継続に必須か、の2点。
  5. 代替策と連携先:他の医療機関との代行訪問、オンライン診療、居宅介護支援事業所との情報共有を検討する。
  6. 文書化と検証:ひな形に落とし込み、連絡先や安否確認リストは更新しやすい別紙にする。訓練で検証し、改訂履歴を残す。

手引きは、被害の重大性に応じて対応を段階分けする「エスカレーション・ロジックモデル」を勧めています。ステージ1は災害対応マニュアルで対応できる状況、2はBCPを発動して自施設で対応する状況、3は地域の医療・ケア機関との連携で対応する状況、4は行政や消防等と連携して安全を確保しなければならない状況です。どのステージで定期訪問を縮小し、臨時・緊急に絞るかを決めておくと迷いが減ります。

介護の自然災害ガイドラインは、訪問サービス固有の事項として、複数の連絡先・連絡手段の把握、居宅介護支援事業所と連携した安否確認の方法、職員が訪問中・移動中に被災した場合の対応、台風などで被害が予想される場合のサービス休止・縮小の基準(居宅介護支援事業所と共有し、利用者・家族にも説明)を挙げています。訪問看護のBCPには必ず反映させましょう。

よくあるつまずき

  • ひな形の空欄を埋めただけで、拠点のリスクや患者構成が反映されていない
  • 連絡網や安否確認リストが電子カルテやクラウドの中にしかなく、停電・通信障害のときに見られない
  • 管理者が指揮を執る前提で、管理者が被災・感染した場合の代行が決まっていない

在宅患者の安否確認リストと電源確保

在宅医療のBCPが病院や施設と違うのは、患者が地域に点在し、一人の患者に複数の機関が関わる点です。「誰が、誰を、どの順番で、どの手段で確認するか」が決まっていないと、同じ患者に連絡が集中する一方で、誰も確認していない患者が残ります。

優先度は「医療処置の重さ」だけで決めない

手引きは、人工呼吸器や在宅酸素療法(HOT)の患者を最優先と考えがちだが、同居者・近隣住民・他事業所の支援があり、発災直後の対応がすでに明確な場合もあると指摘します。その場合、独居や老老介護など独居に準ずる状況で、ひとりで判断できない精神疾患や認知症の患者のほうが、安否確認の優先度を上げたほうがよい場合もあります。必要な医療処置の重さと優先度は必ずしも比例しません。優先度を決めたら、どの機関の誰が確認し、結果を誰に共有するかを、訪問看護・ケアマネジャー・機器の取扱業者とすり合わせます。

安否確認リストの項目例

項目 記載・確認する内容 更新のタイミング
優先度と理由 A・B・Cなどの区分と、独居・判断能力・支援者の有無などの根拠 状態が変わったとき、年1回の総点検
連絡手段 固定電話以外に2つ以上(家族の携帯電話、メッセージアプリなど) 初回訪問時、変更の都度
医療機器と電源 人工呼吸器、酸素濃縮器、吸引器などの種類と、バッテリーで動く時間(取扱業者に確認した値と確認日) 機器の導入・変更時
停電時の代替手段 予備バッテリー、酸素ボンベ、発電機、自家用車からの給電、電源のある移動先 年1回、風水害の多い時期の前など
支援者・関係機関 キーパーソン・近隣の支援者と、確認を担当する機関 担当の変更時
避難の情報 自宅のハザード、避難先、移動方法、個別避難計画の有無 初回訪問時、計画の変更時

手引きでは、非常用持ち出し袋の薬を少なくとも年1回(例として誕生日月)訪問看護師や薬剤師と確認する、誕生日月の訪問のうち1回は災害時の対応を本人・家族と話し合う、初回訪問でハザードマップや避難場所・支援者の有無を確認するのをルーチンにする、といった工夫が紹介されています。受付の流れに組み込む場合は「在宅医療の新患受付から初回訪問までの流れ」も参考にしてください。

電源確保は患者ごとに決め、行政の計画とつなぐ

手引きの業務影響分析の例では、人工呼吸器・在宅酸素療法中の患者について、非常用電源の確保(バッテリー、発電機、自家用車からの電気供給等を利用者ごとに検討)、非常用電源のある施設(福祉避難所)等での緊急ショートステイの可能性を探っておくこと、停電が長引く場合の対策を行政も含めて立てておくことが挙げられています。

市町村には、避難行動要支援者ごとの「個別避難計画」の作成が努力義務とされています(令和3年5月の災害対策基本法改正)。疑義解釈もBCPを市町村の個別避難計画等を踏まえて記載するとしているため、医療機器を使う患者は個別避難計画の有無と内容を確認し、BCP側の停電時の対応と食い違わないようにします。

リスト運用のコツ

  • 停電時にも見られるよう紙の控えを作り、保管場所と持ち出しのルールを決めておく
  • 電子データはExcelなどで管理し、「最終確認日」の列で古い行を抽出して点検する(「在宅医療事務の効率化」も参照)

研修・訓練の年間計画の例

厚生労働省の資料は、介護の研修・訓練の頻度を、入所系は年2回以上、通所系・訪問系は年1回以上(感染症も含む)と整理しています。在支診の施設基準に回数の定めはありませんが、手引きはシミュレーション訓練を年に1〜2回行うことを推奨しています。

手引きの訓練は、地震・水害・感染症の状況設定スライドに沿って「組織として・自分はどう行動するか」「患者・家族にどう対応するか」を1枚2〜3分で検討し(訓練自体は20〜30分)、そのあと30〜60分の振り返りでBCPを評価する構成です。課題をBCPに反映させるところまでが訓練です。連絡網はオンコール体制とも重なるため、「在宅医療のオンコール体制の作り方」も参考になります。

時期 内容 残す記録
4月 BCPの周知研修(新任者を含む)、連絡網と出勤可否表の更新 参加者名簿、資料、更新した連絡網
5月 安否確認リストと、医療機器・電源の一斉点検 点検日、更新件数、未確認の患者への対応
6月 風水害を想定したシミュレーション訓練(机上) ワークシート、振り返りの課題
9月 電話がつながらない想定での安否確認・参集の訓練(実動) 連絡がついた割合と所要時間、使えなかった手段
11月 感染症BCPの研修と机上訓練(多数欠勤・防護具不足を想定) 参加者、訪問を続ける患者の判断結果
1月 地震を想定し、管理者との連絡途絶や訪問中の被災を組み込んだ机上訓練 課題の一覧
3月 BCPの見直し会議(連絡先・患者構成・連携先の変更を反映) 改訂履歴(版数・改訂日・内容・作成者・承認者)

これは一例です。小規模な事業所は、介護の訪問系の整理(研修・訓練とも年1回以上)を最低ラインとし、点検や見直しを既存の会議に組み込む形でも構いません。年度末には、次の書類がそろっているか確認しましょう。

  • BCP本体(自然災害編・感染症編)と改訂履歴
  • 研修の記録(日時・参加者・内容・資料)と、訓練の記録(想定・参加者・課題・BCPへの反映内容)
  • 連絡網・安否確認リストの最終更新日

よくある質問

Q. 法人内に診療所と訪問看護ステーションがあります。BCPは1本にまとめてよいですか?

A. 令和6年度改定の際、事業所間の連携により計画策定を行って差し支えない旨を周知する方針が示されています。ただし基準は指定を受けた事業所ごとに定められているため、法人共通の部分(指揮系統、備蓄、連絡網)と事業所ごとの部分(所在地のリスク、職員、利用者、優先業務)を分け、各事業所の計画として成り立つ形にしておくのが確実です。

Q. 研修や訓練をしていないと、業務継続計画未策定減算になりますか?

A. 計画があり必要な措置も講じていれば、研修・訓練の未実施だけでは減算になりません。Q&A(Vol.6)問7で、実施の有無は算定要件ではないとされています。ただし運営基準上の義務なので、実施と記録は欠かせません。

Q. 在支診のBCPは、日本医師会のひな形で作ってもよいですか?

A. 疑義解釈資料(その12)問7で、日本医師会が作成した「診療所用業務継続計画(BCP)のひな形」を参考としてもよいとされています。どの資料を使う場合も、地域の特性や市町村の個別避難計画等を踏まえて追加・削除し、職員に周知することが求められます。

Q. 令和8年4月以降に新たに在支診を届け出る場合も、令和9年5月まで猶予がありますか?

A. 経過措置は「令和8年3月31日において現に届出を行っている」医療機関が対象です。それ以降に新たに届け出る場合は対象外と読めるため、届出の時点でBCPを策定しておきましょう。

まとめ

  • 介護保険の訪問系サービスはBCPが令和6年4月から義務で、計画がなければ未策定減算(100分の1)の対象。訪問看護は医療保険側の基準(第22条の2)でも義務。
  • 居宅療養管理指導は令和9年3月31日まで努力義務。在支診・在支病と機能強化加算は令和8年度改定で要件となり、既届出は令和9年5月31日まで経過措置があるため、2027年春までに整える。
  • 介護のひな形と在宅医療の「手引き」を使い分け、自然災害と感染症の2本立てで作る。
  • 安否確認の優先度は医療処置の重さだけで決めず、電源確保は患者ごとに検討する。研修・訓練は年間計画にし、記録と改訂履歴を残す。

参考資料

本記事は2026年10月時点で公表されている資料をもとに作成しています。算定の可否は個別の状況で異なるため、最終的には告示・通知・疑義解釈や、管轄の地方厚生局・保険者にご確認ください。