在宅療養指導管理料の算定ルール|主たる1つ・材料加算・他院との調整と退院月

在宅療養指導管理料の算定ルール|主たる1つ・材料加算・他院との調整と退院月

在宅酸素療法や在宅自己注射、在宅中心静脈栄養法の患者が増えると、在宅療養指導管理料の請求で迷う場面が増えます。「2つ管理しているのに1つしか算定できないのはなぜか」「材料加算はどこまで別に算定できるのか」「病院と診療所の両方が関わる月はどちらが算定するのか」は、請求担当者が最初につまずくところです。

この記事では、訪問診療を行う医療機関の事務・医事担当の方に向けて、在宅療養指導管理料の算定ルールを令和8年度(2026年度)診療報酬改定後の告示・留意事項通知・疑義解釈に沿って整理します。点数はすべて2026年6月以降の告示の値です。

この記事でわかること

  • 在宅療養指導管理料の基本ルール(月1回・衛生材料の支給・診療録の記載)
  • 在宅酸素療法・在宅自己注射・在宅中心静脈栄養法・在宅寝たきり患者処置の点数と注意点
  • 2つ以上の指導管理を行う場合の「主たる1つ」と、別に算定できる材料加算(令和8年改定で「3月に3回」に統一)
  • 他の医療機関が関わる患者の算定調整、在医総管との関係、退院月の扱い
  • 算定漏れと過剰請求を防ぐ月次チェックリスト
  1. 在宅療養指導管理料の基本ルール
    1. 算定の前提になる要件
    2. 月1回、算定するのは最初の指導管理の日
    3. 衛生材料は医療機関が提供し、費用は所定点数に含まれる
    4. 入院施設のない診療所が算定するとき
  2. 代表的な在宅療養指導管理料と点数(令和8年6月以降)
    1. 在宅酸素療法指導管理料(C103)
    2. 在宅自己注射指導管理料(C101)
    3. 在宅中心静脈栄養法指導管理料(C104)
    4. 在宅寝たきり患者処置指導管理料(C109)
  3. 2つ以上の指導管理を行う場合:主たる1つと材料加算
    1. 令和8年6月から材料加算は「3月に3回」に統一
  4. 他の医療機関が関わる患者の算定調整
    1. 例外の場合でも別々に算定できない組合せ
    2. 新患受付と月次で確認すること
  5. 在医総管・訪問診療と同じ月に算定するときの注意
    1. 在医総管・施設総管の月はC109が含まれる
    2. 訪問診療日の注射・処置
    3. 看取りの月の酸素療法加算
  6. 退院月・外泊時の扱い
    1. 退院日に算定した医療機関は、その月はもう算定できない
    2. 退院後に引き継いだ医療機関が算定する場合
    3. 外泊時の退院前在宅療養指導管理料(C100)
  7. 算定漏れ・過誤を防ぐ月次チェックリスト
  8. よくある質問
    1. Q. 在医総管を算定している患者に、在宅酸素療法指導管理料は算定できますか。
    2. Q. 受診が3か月に1回の患者の材料加算は、受診月に3か月分算定できますか。
    3. Q. 退院月に、入院先の病院が退院日に指導管理料を算定していました。当院は算定できませんか。
    4. Q. 家族が衛生材料を受け取りに来ただけの月も算定できますか。
  9. まとめ
  10. 参考資料

在宅療養指導管理料の基本ルール

在宅療養指導管理料は、医科点数表の第2章第2部「在宅医療」第2節にある指導管理料の総称です。第2節は「第1款 在宅療養指導管理料」と「第2款 在宅療養指導管理材料加算」に分かれ、両者の所定点数を合算して算定します。医師の指導と医学管理の評価が第1款、医療機関が提供する機器・材料の評価が第2款です。

算定の前提になる要件

留意事項通知は、在宅療養指導管理料を算定できる場面を次のように定めています。

  • 医師が必要かつ適切と判断した患者について、患者または患者の看護に当たる者に療養上必要な事項を指導し、医学管理を十分に行うこと
  • 在宅療養の方法、注意点、緊急時の措置に関する指導等を行うこと
  • 必要かつ十分な量の衛生材料・保険医療材料(以下、衛生材料等)を支給すること
  • 在宅療養を指示した根拠、指示事項(方法、注意点、緊急時の措置を含む)、指導内容の要点を診療録に記載すること

また、来院した患者の看護者(家族等)に対してだけ指導を行った場合は算定できません。

月1回、算定するのは最初の指導管理の日

第1款の指導管理料は、特に規定がある場合を除き月1回に限り算定します。同じ月に2回以上指導管理を行った場合は、第1回の指導管理を行ったときに算定します。月2回訪問している患者でも、算定日は月の最初の指導管理の日です。

衛生材料は医療機関が提供し、費用は所定点数に含まれる

指導管理に必要なアルコール等の消毒薬、脱脂綿・ガーゼ・絆創膏などの衛生材料、酸素、注射器、注射針、翼状針、カテーテル、膀胱洗浄用注射器、クレンメ等は医療機関が提供します。材料加算などで別に評価されているものを除き、これらの費用は所定点数に含まれ、別に算定できません。

衛生材料等の量は、訪問看護計画書で訪問看護事業者から報告された必要量を基に医師が判断して支給し、訪問看護報告書の使用実績を見て調整します。一定の要件の保険薬局や製造販売業者に提供を指示することもできます。訪問看護との書類のやりとりは訪問看護指示書の記事をご覧ください。

入院施設のない診療所が算定するとき

入院施設を持たない診療所が算定するには、緊急時に密接な連携を取れる他の医療機関で、緊急入院できる病床が常に確保されていることが必要とされています。在宅酸素療法では、実施する医療機関または緊急時に入院する施設が、レスピレーターや動脈血ガス分析装置など通知に列挙された機械・器具を備えることも求められます。

代表的な在宅療養指導管理料と点数(令和8年6月以降)

訪問診療で扱うことが多い指導管理料と、関連する主な材料加算をまとめます。

区分・名称 指導管理料(点数) 関連する主な材料加算(点数)
C101 在宅自己注射指導管理料 1 複雑な場合 1,230/2 月27回以下 650・月28回以上 750 C150 血糖自己測定器加算(回数等により350〜1,490)、C151 注入器加算 300、C153 注入器用注射針加算 200または130
C103 在宅酸素療法指導管理料 チアノーゼ型先天性心疾患 520/その他 2,400 C157 酸素ボンベ加算 携帯用880・それ以外3,950、C158 酸素濃縮装置加算 4,000、C159 液化酸素装置加算 設置型3,970・携帯型880、C159-2 呼吸同調式デマンドバルブ加算 291、C171 在宅酸素療法材料加算 780または100
C104 在宅中心静脈栄養法指導管理料 3,000 C160 在宅中心静脈栄養法用輸液セット加算 2,000、C161 注入ポンプ加算 1,250
C105 在宅成分栄養経管栄養法指導管理料 2,500 C162 在宅経管栄養法用栄養管セット加算 2,000、C161 注入ポンプ加算 1,250
C106 在宅自己導尿指導管理料 1,400 C163 特殊カテーテル加算(種類・本数により400〜2,100)
C107 在宅人工呼吸指導管理料 2,800 C164 人工呼吸器加算 7,480または6,480、C170 排痰補助装置加算 1,829
C108 在宅麻薬等注射指導管理料 1 悪性腫瘍・2 筋萎縮性側索硬化症または筋ジストロフィー・3 心不全、呼吸器疾患または腎不全 各1,500 C161 注入ポンプ加算 1,250、C166 携帯型ディスポーザブル注入ポンプ加算 2,500
C109 在宅寝たきり患者処置指導管理料 1,050 専用の材料加算の区分はなし
C112 在宅気管切開患者指導管理料 900 C169 気管切開患者用人工鼻加算 1,500

令和8年度改定で、在宅麻薬等注射指導管理料の「3」は腎不全が加わり「心不全、呼吸器疾患又は腎不全の場合」になりました。注入ポンプ加算と携帯型ディスポーザブル注入ポンプ加算の対象も同様です。在宅医療全体の改定の流れは令和8年度改定で在宅医療は何が変わったかで整理しています。

在宅酸素療法指導管理料(C103)

「その他の場合」の対象は、高度慢性呼吸不全例、肺高血圧症の患者、慢性心不全の患者のうち安定した病態にある退院患者と手術待機の患者、重度の群発頭痛の患者です。高度慢性呼吸不全例では、導入時の動脈血酸素分圧などの基準が通知で定められています。

算定にあたっては、動脈血酸素分圧の測定を月1回程度行い、結果をレセプトに記載します。経皮的動脈血酸素飽和度で代えることもでき、その測定の費用は所定点数に含まれます。記載要領の別表Ⅰでも、当該月の動脈血酸素分圧または動脈血酸素飽和度の記載が求められています。

機器の加算では、酸素濃縮装置加算と酸素ボンベ加算の「携帯用以外」は併算定できません。携帯用酸素ボンベ加算は、通院等で実際に携帯用小型ボンベを使った場合に算定でき、概ね1,500リットル以下の詰め替え可能なボンベが対象で、使い捨てのものは対象外です。

在宅自己注射指導管理料(C101)

「2」は、医師がその月に在宅で実施するよう指示した注射の総回数で区分します。予期せぬ入院などで実施されなかった場合も指示回数で算定できますが、予定入院のようにあらかじめ在宅で実施しないと分かっている期間は、その分を除きます。

導入前に、入院または2回以上の外来・往診・訪問診療で十分な教育期間をとって指導することが要件です(アドレナリン製剤を除く)。導入初期加算(580点)は初回指導の月から3月以内、処方内容の変更時は1か月を限度に1回、バイオ後続品導入初期加算(150点)は初回処方の月から3月以内に算定でき、いずれも対面診療の場合に限られます。訪問診療料を算定する日に行った皮内・皮下・筋肉内注射、静脈内注射、点滴注射の費用(薬剤・特定保険医療材料を含む)は算定できません。

在宅中心静脈栄養法指導管理料(C104)

対象は、腸管大量切除例や腸管機能不全例等のうち安定した病態にあり、中心静脈栄養以外に栄養維持が困難で、医師が必要と認めた患者です。輸液セット加算の「輸液セット」は、輸液バッグ、注射器、輸液ラインを指します。算定患者には中心静脈注射と植込型カテーテルによる中心静脈注射の費用は算定できず、訪問診療料を算定する日の静脈内注射・点滴注射の費用(薬剤・特定保険医療材料を含む)も算定できません。

在宅寝たきり患者処置指導管理料(C109)

現に寝たきりの状態、またはこれに準ずる状態(指定難病の医療受給者証の交付を受けている患者などで常時介護を要する状態)の患者に対し、本人や家族等が在宅で行う創傷処置、留置カテーテル設置、膀胱洗浄、鼻腔栄養、ストーマ処置、喀痰吸引などの処置について指導管理を行った場合に算定します。原則は医師が患家を訪問して行う場合で、家族等に付き添われて来院した場合は例外的に算定できます。算定患者には創傷処置などの処置料を算定できず、皮膚科特定疾患指導管理料の算定患者にはこの管理料自体を算定できません。在医総管・施設総管の月は所定点数に含まれます(後述)。

2つ以上の指導管理を行う場合:主たる1つと材料加算

告示の通則は、同一の患者に対して2以上の在宅療養指導管理を行っている場合、主たる指導管理の所定点数のみで算定すると定めています。留意事項通知も、同じ医療機関で2以上の指導管理を行っている場合は主たる指導管理の所定点数を算定する、としています。

「主たる」の選び方について、告示・通知に具体的な基準は書かれていません。医師が医学的に主となる管理を判断し、診療録で追えるようにしておくのが基本です。

算定漏れが起きやすいのはここからです。留意事項通知は、2以上の指導管理を行っている場合でも、材料加算と、それぞれの指導管理に使った薬剤・特定保険医療材料の費用は、それぞれ算定できるとしています。また、材料加算は要件を満たせば第1款の指導管理料を算定するか否かにかかわらず別に算定できる、とも書かれています。

例:在宅酸素療法とインスリンの在宅自己注射を同じ診療所で管理している場合、指導管理料は主たる1つだけですが、酸素濃縮装置加算や在宅酸素療法材料加算と、血糖自己測定器加算・注入器用注射針加算は、それぞれの要件を満たせば両方算定できます。指導管理料を1つにした時点で、もう一方の材料加算まで外さないようにします。

令和8年度改定で見直された在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2(240点)でも、一定の患者で前月までの3月すべての1日平均使用時間が1時間未満なら指導管理料を算定しない一方、その場合も材料加算は算定できる、と通知に明記されました(1時間以上の月が1月でもあれば算定可能、と疑義解釈その12)。

令和8年6月から材料加算は「3月に3回」に統一

改定前の材料加算は、種類によって「月1回」「2月に2回」「3月に3回」と扱いが分かれていましたが、令和8年度改定ですべて「3月に3回」に統一されました(告示 第2款通則)。

受診間隔が2か月や3か月の患者では、受診月にまとめて算定することができます。その場合、記載要領の別表Ⅰにより、当月分に加えて前々月分・前月分・翌月分・翌々月分のどれを算定したのかをレセプトの摘要欄に記載します。留意事項通知は対象月の重複を認めていないため、翌月分を先に算定した患者に、翌月も同じ月分を算定するミスに注意します。患者ごとに「何月分まで算定済みか」を管理表に残しておくと防げます。

他の医療機関が関わる患者の算定調整

在宅患者は病院の専門外来にも通い、別の医療機関が別の管理をしていることがあります。告示・通知が示す取扱いをまとめます。

ケース 取扱い 確認・レセプトでの対応
同じ指導管理を2つの医療機関で行っている 主たる指導管理を行っている医療機関が算定する どちらが算定するか事前に取り決める
在宅療養支援診療所・在宅療養支援病院から紹介を受けた医療機関が、紹介元と異なる指導管理を行う 紹介が行われた月に限り、それぞれの医療機関で算定できる 摘要欄に紹介元医療機関名と算定理由を記載
在宅療養後方支援病院と連携する医療機関が、15歳未満の人工呼吸器使用患者等に、後方支援病院と異なる指導管理を行う それぞれの医療機関で算定できる 重複算定がないよう情報交換する
在宅自己注射の指導管理を、異なる疾患について2つの医療機関で行っている いずれの医療機関でも算定できる 相互に処方されている注射薬等を把握する

表にない「異なる指導管理を別々の医療機関が行う」ケースは注意が必要です。主たるもののみとする告示の通則は「同一の患者に対して」と書かれて医療機関の別を限定せず、そのうえで紹介月や後方支援病院の場合を例外としています。このため、例外に当たらない限り患者1人につき主たる1つと読むのが自然です。迷う事例は管轄の地方厚生局に確認してから請求してください。

例外の場合でも別々に算定できない組合せ

紹介月や後方支援病院の例外に当たっても、告示は次の組合せを除いています。

  • 在宅自己腹膜灌流(C102)と在宅血液透析(C102-2)
  • 在宅酸素療法(C103)と、在宅人工呼吸(C107)・在宅持続陽圧呼吸療法(C107-2)・在宅ハイフローセラピー(C107-3)。C107、C107-2、C107-3の相互の組合せも同様
  • 在宅中心静脈栄養法(C104)と、在宅成分栄養経管栄養法(C105)または在宅小児経管栄養法(C105-2)
  • C105とC105-2、C105-2とC105-3(在宅半固形栄養経管栄養法)、C105-2・C105-3と在宅寝たきり患者処置(C109)
  • 在宅麻薬等注射(C108、「3」を除く)または在宅悪性腫瘍患者共同指導管理(C108-4)と、在宅自己疼痛管理(C110)
  • 在宅寝たきり患者処置(C109)と在宅難治性皮膚疾患処置(C114)

新患受付と月次で確認すること

他院の関与は、患者や家族に聞かなければ分かりません。新患受付で、他院での指導管理、機器を提供している医療機関、在宅療養支援診療所からの紹介かどうかを聞き取ります。受付票の作り方は新患受付から初回訪問までの流れで紹介しています。

特掲診療料の施設基準等の別表第八(特別な管理を要する状態等)には、在宅酸素療法や在宅中心静脈栄養法などの指導管理を受けている状態の者が並び、訪問看護の算定にも関わります。令和8年度改定で在宅難治性皮膚疾患処置指導管理が加わり、疑義解釈(その1)は「現にC114を算定している利用者が該当する」としました。訪問看護ステーションから問い合わせがあったときに、算定状況を答えられるようにしておきましょう。

在医総管・訪問診療と同じ月に算定するときの注意

在医総管・施設総管の月はC109が含まれる

在宅時医学総合管理料(在医総管)または施設入居時等医学総合管理料(施設総管)を算定する月は、留意事項通知により、在宅寝たきり患者処置指導管理料(C109)が所定点数に含まれ、別に算定できません。創傷処置、喀痰吸引、ストーマ処置、膀胱洗浄、導尿、鼻腔栄養などの処置料も同様です。

一方、在宅酸素療法指導管理料、在宅自己注射指導管理料、在宅中心静脈栄養法指導管理料などはこの包括の対象に挙がっていないため、在医総管と同じ月に算定できます。材料加算、薬剤料、特定保険医療材料料も別に算定します。在医総管の包括範囲の全体は在医総管と施設総管の違いと算定の基本で解説しています。

在医総管の患者にC109を算定してしまう誤りは、算定セットを使い回したときに起こりがちです。C109とほかの指導管理を併せて行っている患者では、在医総管の月はもう一方の指導管理料を算定します。

訪問診療日の注射・処置

在宅自己注射、在宅中心静脈栄養法、在宅麻薬等注射、在宅腫瘍化学療法注射、在宅強心剤持続投与、在宅悪性腫瘍患者共同指導管理の各指導管理料を算定している患者(材料加算や薬剤料のみの患者を含む)に、訪問診療料を算定する日に患家で静脈内注射や点滴注射を行っても、その注射の費用は算定できません。在宅酸素療法指導管理料の算定患者には、日を問わず酸素吸入や喀痰吸引などを算定できません。訪問診療料の基本は訪問診療料と往診料の違いをご覧ください。

看取りの月の酸素療法加算

往診料や在宅患者訪問診療料の在宅ターミナルケア加算には、がん患者に酸素療法を行っていた場合の酸素療法加算(2,000点)があります。悪性腫瘍と診断されている患者に、死亡した月に在宅酸素療法を行った場合の加算で、算定した月は在宅酸素療法指導管理料、在宅人工呼吸指導管理料、酸素ボンベ・酸素濃縮装置・液化酸素装置・人工呼吸器の各加算を算定できません。

退院月・外泊時の扱い

退院日に算定した医療機関は、その月はもう算定できない

入院中の患者に退院後の在宅療養に向けた指導管理を行った場合、退院の日に1回に限り在宅療養指導管理料を算定できます。この場合、同じ医療機関がその退院月に外来・往診・訪問診療で行った指導管理の費用は算定できません(血糖自己測定器加算も同様)。死亡退院や、他の医療機関へ入院するための転院では、退院日の算定自体ができません。

退院後に引き継いだ医療機関が算定する場合

退院日に病院が算定していても、それ以外の医療機関が退院月に外来・往診・訪問診療で指導管理を行えば算定できます。ただし、摘要欄に算定理由を記載します。留意事項通知は、算定する場合は患者に当該月の入院の有無を確認すること、としています。機器を誰が提供するのかも確認します。材料加算は医療機関が提供し在宅で使用していることが前提のため、病院が手配した機器を使い続けるのか診療所側で手配し直すのかは、退院前に決めておきます。

外泊時の退院前在宅療養指導管理料(C100)

入院中の患者の外泊時に指導管理を行った場合は、外泊の初日に1回に限り退院前在宅療養指導管理料(120点、6歳未満は乳幼児加算200点)を算定します。同じ月に他の指導管理料も算定できますが、算定した日には他の指導管理料と材料加算は算定できません。退院できなかった場合や、外泊後に帰院せず転院した場合は算定できません。

算定漏れ・過誤を防ぐ月次チェックリスト

私が担当している現場では、次の項目を月末の締め前に患者ごとに確認しています。

  • 患者本人への指導管理があり、算定日が月の最初の指導管理日になっているか
  • 2つ以上の指導管理がある患者で、指導管理料は主たる1つ、材料加算は管理ごとに漏れなく算定しているか
  • 材料加算をまとめて算定した患者で、対象月が重複せず、摘要欄に対象月を記載したか
  • 在医総管・施設総管の月にC109や処置料を算定していないか
  • 包括対象の患者に、訪問診療日の注射・点滴の費用を算定していないか
  • 在宅酸素療法の患者で、動脈血酸素分圧または酸素飽和度をレセプトに記載したか
  • 自己注射の導入初期加算が期間内か、注射回数の区分が指示回数と合っているか
  • 当月に入退院があった患者で、入院先の算定状況を確認し、必要な摘要欄記載をしたか
  • 他院と同じ指導管理をしていないか、紹介月の例外では紹介元医療機関名を記載したか
  • 看取りの月に、酸素療法加算と在宅酸素療法の算定が重なっていないか

月次請求全体の流れは在宅医療の月次請求フロー、返戻・査定を受けたときの見直し方は返戻・査定を減らす点検ポイントで整理しています。

よくある質問

Q. 在医総管を算定している患者に、在宅酸素療法指導管理料は算定できますか。

A. 算定できます。在医総管・施設総管に含まれるとして通知に挙げられている在宅療養指導管理料はC109です。在宅酸素療法指導管理料と材料加算は別に算定します。

Q. 受診が3か月に1回の患者の材料加算は、受診月に3か月分算定できますか。

A. 令和8年6月以降、材料加算はすべて「3月に3回」に統一されたため、受診月にまとめて算定できます。その場合は摘要欄に、当月分に加えて前後どの月の分を算定したかを記載し、対象月が重複しないよう管理します。

Q. 退院月に、入院先の病院が退院日に指導管理料を算定していました。当院は算定できませんか。

A. 退院日に算定した医療機関以外であれば、退院月に行った指導管理について、摘要欄に算定理由を記載して算定できます。算定できないのは、退院日に算定した医療機関自身が同じ月に行った分です。

Q. 家族が衛生材料を受け取りに来ただけの月も算定できますか。

A. 算定できません。来院した看護者に対してのみ指導を行った場合は算定できないと定められています。その月に医師が患者本人を診療して指導管理を行っているかを確認してください。

まとめ

在宅療養指導管理料は、月1回算定する指導管理料と、医療機関が提供する機器・材料の材料加算の組合せです。2つ以上の指導管理があっても指導管理料は主たる1つですが、材料加算と薬剤・特定保険医療材料はそれぞれ算定できます。令和8年6月から材料加算は「3月に3回」に統一されたため、まとめて算定するときは摘要欄記載と対象月の管理が欠かせません。他院が関わる患者の例外と除外される組合せ、在医総管の月はC109が含まれること、退院月の入院先の算定状況を月次の点検項目に入れておくと、算定漏れと過誤の両方を減らせます。

参考資料

本記事は2026年10月時点で公表されている資料をもとに作成しています。算定の可否は個別の状況で異なるため、最終的には告示・通知・疑義解釈や、管轄の地方厚生局・保険者にご確認ください。