在宅で患者さんを看取った月のレセプトは、在宅ターミナルケア加算・看取り加算・死亡診断加算が重なり、訪問看護側のターミナルケアの評価とも関係するため、事務がもっとも迷いやすい場面のひとつです。この記事では、在宅療養支援診療所や訪問診療クリニックの医事担当・事務長の方に向けて、令和8年度診療報酬改定後(2026年6月施行)の告示・留意事項通知・疑義解釈・記載要領で確認できる範囲に絞って、3つの加算の算定要件と請求前の確認点を整理します。点数はすべて2026年6月以降の告示の値です。
この記事でわかること
- 3つの加算がそれぞれ何を評価しているかと、令和8年6月以降の点数
- 死亡日前15日間の訪問回数の数え方と、退院直後に亡くなった場合の扱い
- 在支診・機能強化型・在宅医療充実体制加算で点数が変わるところ
- 訪問看護のターミナルケア加算・ターミナルケア療養費との関係
- 月をまたぐ場合の考え方と、記録・摘要欄で押さえる点
3つの加算は「何を評価しているか」が違う
3つの加算は、いずれも在宅患者訪問診療料(Ⅰ)(以下「訪問診療料(Ⅰ)」)などに付く加算ですが、評価する場面が異なります。在宅ターミナルケア加算は死亡日と死亡日前14日以内(計15日間)の継続的な関わりを、看取り加算は死亡日に往診または訪問診療を行い患家で看取ったことを、死亡診断加算は死亡日に往診または訪問診療を行い死亡診断をしたことを評価します。
訪問診療料(Ⅰ)では、3つとも「1」(主治医として定期的に訪問する在宅患者訪問診療料1)を算定する患者に限られます。他の医療機関の求めで訪問する「2」の患者には付きません。有料老人ホーム等に併設された医療機関が算定する訪問診療料(Ⅱ)では、注1のイ(定期的な訪問診療)の場合に限られます。
| 項目 | 在宅ターミナルケア加算 | 看取り加算 | 死亡診断加算 |
|---|---|---|---|
| 評価の対象 | 死亡日と死亡日前14日以内(計15日間)の関わり | 死亡日に往診・訪問診療を行い、患家で看取ったこと | 死亡日に往診・訪問診療を行い、死亡診断を行ったこと |
| 点数(訪問診療料(Ⅰ)の1) | 3,500〜6,500点(医療機関の区分による)+届出等による上乗せ | 3,000点 | 200点 |
| 訪問の要件 | 15日間に往診・訪問診療2回以上、または退院時共同指導料1の算定+訪問診療 | 死亡日の往診または訪問診療 | 死亡日の往診または訪問診療(ICTを利用した死亡診断の特例あり) |
| 主な条件・注意 | 在宅で死亡(往診・訪問診療の後24時間以内に在宅以外で死亡した場合を含む) | 事前に患者・家族等へ十分な説明を行い同意を得ていること | 看取り加算と同時に算定できない |
看取り加算には死亡診断の費用が含まれているため、看取り加算と死亡診断加算は同時に算定できません。一方、在宅ターミナルケア加算と看取り加算は告示上互いを除外しておらず、それぞれの要件を満たせば両方を算定します。往診料と訪問診療料の基本的な違いは訪問診療料(Ⅰ)(Ⅱ)と往診料の違いで整理しています。
在宅ターミナルケア加算の点数と、在支診・機能強化型の区分
在宅ターミナルケア加算は、医療機関の区分によって点数が変わります。訪問診療料(Ⅰ)の注6と往診料の注3は「イ 有料老人ホーム等に入居する患者以外」「ロ 有料老人ホーム等に入居する患者」に項目が分かれていますが、点数は同じです。
| 医療機関の区分 | 訪問診療料(Ⅰ)注6・往診料 注3(イ・ロ共通) | 訪問診療料(Ⅱ)注5 |
|---|---|---|
| 機能強化型の在支診・在支病(病床あり) | 6,500点 | 6,200点 |
| 機能強化型の在支診・在支病(病床なし) | 5,500点 | 5,200点 |
| 上記以外の在支診・在支病 | 4,500点 | 4,200点 |
| その他の医療機関 | 3,500点 | 3,200点 |
「有料老人ホーム等に入居する患者」は、施設入居時等医学総合管理料(施設総管)の対象施設(特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、認知症対応型共同生活介護事業所など)の入居者、障害福祉サービスの施設等の入居者、小規模多機能型居宅介護等の宿泊サービス利用中の患者です。点数が同じでも告示上は別の項目なので、居住区分に合わせて選びます。
機能強化型の点数を算定できる医療機関
機能強化型の点数を算定できるのは、特掲診療料の施設基準通知の第9(在支診)の1の(1)単独型と(2)のア(連携型のうち、普段から訪問診療を行う医師による連続24時間の往診体制を月4回以上確保するなどの要件を満たすもの)、および機能強化型の在支病です。令和8年度改定で、連携型機能強化型在支診のうちアに当たらないもの(イ)は、往診料の加算・在宅ターミナルケア加算・在医総管などで在支診としての点数になりました。在宅ターミナルケア加算でいえば4,500点です。要件の詳細は在宅療養支援診療所と機能強化型の要件で解説しています。
「病床あり」は、有床診療所であるか、連携型の場合は連携体制を構築する医療機関のうち1つでも緊急時に入院できる病床を確保していれば、連携内のすべての医療機関が該当します。
届出による上乗せと酸素療法加算
施設基準を届け出た医療機関は、区分に応じて在宅医療充実体制加算2,000点、在宅療養実績加算1 750点、在宅療養実績加算2 500点のいずれかを上乗せします。令和8年度改定で、旧・在宅緩和ケア充実診療所・病院加算(在宅ターミナルケア加算への上乗せは1,000点)が在宅医療充実体制加算に改められ、要件の見直しとともに2,000点になりました(改定全体は令和8年度改定で在宅医療は何が変わったか)。在宅医療充実体制加算は、機能強化型の在支診で自院単独の24時間連絡・往診体制、常勤換算医師3名以上かつ常勤医師2名以上、過去1年間の緊急往診30件以上などが要件です。在宅療養実績加算1・2は、第9の1の(3)に当たる在支診(いわゆる従来型)が対象です。
がん患者に酸素療法を行っていた場合は、さらに酸素療法加算2,000点が加わります。悪性腫瘍と診断されている患者に、死亡した月に在宅酸素療法を行った場合に算定するもので、算定した月は在宅酸素療法指導管理料、在宅人工呼吸指導管理料、酸素ボンベ加算・酸素濃縮装置加算・液化酸素装置加算、人工呼吸器加算、喀痰吸引、酸素吸入、人工呼吸などを算定できません。
在宅医療充実体制加算の施設基準の重症患者割合(2割以上)では、在医総管・施設総管を算定する患者のうち、ターミナルケア加算・看取り加算・死亡診断加算を算定した患者の延べ診療月数も数えます。疑義解釈(その4)では、令和8年度中の届出に限り直近3か月の実績で届け出られる(令和9年度も続けるには過去1年間の実績が必要)とされています。看取りの請求データは患者別・月別に残しておきましょう。
算定の前提となる訪問回数と「15日間」の数え方
原則は「15日間に往診・訪問診療2回以上」
訪問診療料(Ⅰ)の在宅ターミナルケア加算は、死亡日と死亡日前14日以内の計15日間に、往診または訪問診療を2回以上行った患者が在宅で死亡した場合に算定します。往診と訪問診療はどちらも回数に入ります。通知は「死亡日及び死亡日前14日以内の計15日間」と日数で定めており、月の区切りを条件にしていません。たとえば4月3日に亡くなった場合は、3月20日から4月3日までの15日間が対象です。
「在宅で死亡した」には、往診または訪問診療を行った後、24時間以内に在宅以外(搬送先の病院など)で死亡した場合も含まれます。訪問診療料(Ⅱ)では、入居する有料老人ホーム等で死亡した場合(24時間以内に当該施設以外で死亡した場合を含む)が対象です。
退院時共同指導料1を算定していれば訪問診療1回でもよい
15日間に退院時共同指導料1(入院先で、退院後の在宅療養を担う医療機関の医師等が入院先の職員と共同で指導した場合の点数。在支診1,500点、それ以外900点)を算定し、かつ訪問診療を行った場合も対象になります。退院直後に訪問診療が1回しかできないまま亡くなる場面を想定した要件です。退院前のカンファレンスに参加しても退院時共同指導料1を算定していないと、この経路は使えません。
往診しかしていない場合は往診料の在宅ターミナルケア加算
退院後、定期の訪問診療を始める前に、往診だけで看取りになることもあります。往診料にも在宅ターミナルケア加算(注3)があり、15日間に退院時共同指導料1を算定し、かつ往診を行った患者が在宅で死亡した場合に算定します。点数と上乗せは訪問診療料(Ⅰ)と同じです。ただし留意事項通知は、15日間に訪問診療料(Ⅰ)または(Ⅱ)を算定している場合は、訪問診療料側の在宅ターミナルケア加算を算定するとしています。
往診料の看取り加算(注4、3,000点)は、往診料の在宅ターミナルケア加算を算定する場合に限られ、事前の十分な説明と同意のうえで、15日間に退院時共同指導を行い、死亡日に往診して患家で看取った場合に算定します。
終末期で週4回以上訪問するとき
訪問診療料(Ⅰ)の1は原則週3回までですが、末期の悪性腫瘍など厚生労働大臣が定める疾病等の患者には、この上限はありません。それ以外の患者で、終末期等のため一時的に週4回以上の訪問診療が必要になった場合は、注3により月1回、診療の日から14日以内について14日を限度に算定でき、診療報酬明細書に「訪問診療が必要な旨」「必要を認めた日」「訪問診療を行った日」を付記します。
看取り加算と死亡診断加算の関係
看取り加算(3,000点)は、事前に患者またはその家族等に療養上の不安を解消するための十分な説明を行い、同意を得たうえで、死亡日に往診または訪問診療を行い、患家で看取った場合に算定します。診療内容の要点等を診療録に記載する必要があります。死亡診断加算(200点)は、在宅で死亡した場合に、死亡日に往診または訪問診療を行い、死亡診断を行った場合に算定します。看取り加算を算定するときは死亡診断加算は算定しません。
往診料の注5にも死亡診断加算(200点)があります。同じ死亡診断で、訪問診療料側と往診料側の両方に加算が入っていないか確認します。
ICTを利用した死亡診断の特例
次の要件をすべて満たし、「情報通信機器(ICT)を利用した死亡診断等ガイドライン」に基づいて看護師との連携による死亡診断を行う場合は、往診・訪問診療の際に死亡診断をしていなくても、死亡診断加算のみを算定できます。
- 当該患者に定期的・計画的な訪問診療を行っていたこと
- 正当な理由のため、医師が直接対面で死亡診断等を行うまでに12時間以上かかると見込まれること
- 告示で定める地域に住む患者で、連携する医療機関の訪問看護で在宅ターミナルケア加算等を、または連携する訪問看護ステーションで訪問看護ターミナルケア療養費や介護保険のターミナルケア加算を算定していること
この場合は摘要欄に、ICTを利用した看護師との連携による死亡診断を行った旨を記載します。看護側では、研修を受けた看護師が死亡診断を補助した場合に遠隔死亡診断補助加算(医療機関150点、訪問看護ステーション1,500円)があります。
在宅がん医療総合診療料を算定している患者
在宅がん医療総合診療料には独自の死亡診断加算(200点)があります。留意事項通知では、訪問診療料(Ⅰ)の在宅ターミナルケア加算と看取り加算は在宅がん医療総合診療料と別に算定できるとされる一方、看取り加算を算定する場合は在宅がん医療総合診療料の死亡診断加算を、在宅ターミナルケア加算または看取り加算を算定する場合は在宅患者訪問看護・指導料の在宅ターミナルケア加算を、それぞれ別に算定できないとされています。同じ留意事項には、在支診とその連携医療機関が連携して要件を満たした場合の請求の取扱い(在宅ターミナルケア加算は在支診、看取り加算は看取った医療機関が請求し、費用の分配は相互の合議)も書かれています。
訪問看護側のターミナルケア加算・ターミナルケア療養費との関係
医師の在宅ターミナルケア加算とは別に、訪問看護にもターミナルケアの評価があります。自院の看護師が訪問しているか、訪問看護ステーションが訪問しているかで、算定するものが変わります。
| 項目 | 医療機関の看護師(在宅患者訪問看護・指導料の在宅ターミナルケア加算) | 訪問看護ステーション(訪問看護ターミナルケア療養費) |
|---|---|---|
| 点数・金額 | イ 2,500点(在宅で死亡、または特別養護老人ホーム等で死亡し看取り介護加算等を算定していない場合)/ロ 1,000点(特別養護老人ホーム等で死亡し看取り介護加算等を算定している場合) | 1 25,000円/2 10,000円(区分の考え方は左と同様) |
| 訪問の要件 | 15日間に在宅患者訪問看護・指導料等を2回以上算定 | 15日間に訪問看護基本療養費・精神科訪問看護基本療養費・退院支援指導加算・包括型訪問看護療養費を合わせて2回以上算定 |
| 説明 | 訪問看護のターミナルケアの支援体制(連絡担当者の氏名、連絡先電話番号、緊急時の注意事項等)を患者・家族等に説明したうえでターミナルケアを行う | |
| 重複の制限 | 同じ患者に、別の医療機関の在宅ターミナルケア加算等や、別の訪問看護ステーションのターミナルケア療養費が算定されている場合は算定できない(医療機関とステーションの間も同様で、看護側の評価は1か所のみ) | |
| 介護保険の訪問看護と混在 | 15日間に介護保険と医療保険の訪問看護をそれぞれ1日以上行った場合は、最後の訪問看護が医療保険のときに算定 | |
| 記録 | 死亡した場所、死亡時刻等を看護記録に記録 | 死亡した場所、死亡時刻等を訪問看護記録書に記録 |
訪問看護ステーションの療養費では、2回のうち1回を退院支援指導加算とする場合、退院日にターミナルケアに係る療養上必要な指導を行っていることが条件です。また、令和8年度改定で新設された包括型訪問看護療養費の算定日も回数に含まれます。
医師側の加算と看護側の評価は別の項目ですが、在宅がん医療総合診療料の患者では前述のように同時に算定できない組み合わせがあります。ICT死亡診断の特例は看護側のターミナルの評価が前提で、看護側が医療保険か介護保険かは訪問看護の医療保険・介護保険の判定によって変わります。私が担当している現場では、訪問診療と訪問看護が同じ日に行われた利用者を突き合わせた一覧を作っています。同じ考え方で、死亡日から15日間の医師・看護それぞれの訪問日を1枚に並べておくと、請求前に要件を確認しやすくなります。
死亡日と月をまたぐ場合の考え方
15日間は月をまたいで数えるため、「前月末に2回訪問し、翌月初めに亡くなった」というケースが起こります。令和8年の資料で確認できるルールは次のとおりです。
- 訪問回数:月の区切りを条件にしていないため、前月の往診・訪問診療も2回の中に数えます。
- 訪問看護ステーション:記載要領(別表Ⅰ 訪問看護)は、指定訪問看護が最後に行われた日の属する月と死亡月が異なる場合、死亡日と死亡前14日以内に訪問看護を行った日付を2日分記載するとしています。
- 酸素療法加算:「死亡した月」に在宅酸素療法を行った場合の加算で、算定した月は在宅酸素療法指導管理料等を算定できません。
- 同一建物居住者の判定:訪問診療料(Ⅰ)の留意事項通知は、死亡日と死亡日前29日以内(計30日間)の患者を同一建物居住者の数から除いています。同じ建物の他の患者の区分に影響しないか確認します(単一建物診療患者の数え方も参照)。
一方、医科の在宅ターミナルケア加算を「最後の訪問診療を行った月」と「死亡月」のどちらのレセプトに付けるかは、令和8年の告示・留意事項通知・記載要領では直接の定めを確認できませんでした。記載要領が求めているのは、摘要欄に死亡年月日を記載することです。付ける月や提出済みの場合の扱いは審査支払機関や地方厚生局に確認したうえで、院内のルールとして決めておくことをおすすめします。
記録と摘要欄の注意点
加算ごとに求められる記録と摘要欄の記載が異なります。令和8年の留意事項通知と記載要領で確認できるものは次のとおりです。
| 項目 | 摘要欄など(記載要領) | 診療録・記録(留意事項通知) |
|---|---|---|
| 在宅ターミナルケア加算(往診料・訪問診療料(Ⅰ)(Ⅱ)) | 死亡年月日。訪問診療料(Ⅰ)で在宅以外、(Ⅱ)で有料老人ホーム等以外で死亡した場合は、死亡前24時間以内に行った訪問診療の年月日と時刻 | 診療内容の要点等。「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」等を踏まえた本人・家族等との話し合い |
| 看取り加算 | 「在宅」欄に加算点数を記載 | 事前の説明と同意、診療内容の要点等 |
| 死亡診断加算(ICTの特例) | ICTを利用した看護師との連携による死亡診断を行った旨 | - |
| 週4回以上の頻回訪問 | 訪問診療が必要な旨、必要を認めた日、訪問診療を行った日 | 病状に基づいた訪問診療の計画 |
| 特別養護老人ホームの入所者 | 末期の悪性腫瘍である、または看取り介護加算の施設基準に適合する特養で看取った(在支診・在支病・協力医療機関の医師が死亡日から遡って30日間に行ったものに限る)のいずれに該当するか | - |
| 医療機関の訪問看護の在宅ターミナルケア加算 | 訪問看護の実施年月日と時刻、死亡場所(在宅/在宅以外)、死亡日時 | 死亡した場所、死亡時刻等 |
このほか、訪問診療そのものの要件として、署名付きの同意書、訪問診療の計画と診療内容の要点、診療時間(開始・終了時刻)と診療場所の記載が必要です。返戻を減らす点検の全体像は在宅医療レセプトの返戻・査定を減らす点検ポイントで紹介しています。
看取りの月の請求前チェックリスト
- 死亡日・死亡時刻・死亡場所(在宅か、搬送先か)を確認した
- 死亡日から14日さかのぼった15日間の往診・訪問診療の日付を数えた(前月分を含む)
- 訪問が1回の場合、15日間に退院時共同指導料1を算定しているか確認した
- 15日間に訪問診療料を算定しているか確認し、往診料側か訪問診療料側かを決めた
- 患者の区分(訪問診療料(Ⅰ)の1か2か、(Ⅱ)か、有料老人ホーム等の入居か)を確認した
- 自院の届出区分(機能強化型か、連携型のアか、病床の有無、上乗せ加算)と点数が一致している
- 看取り加算と死亡診断加算、訪問診療料側と往診料側の死亡診断加算が重複していない
- 酸素療法加算を付ける場合、同じ月に在宅酸素療法指導管理料などを算定していない
- 看護側のターミナルの評価を医療機関と訪問看護ステーションのどちらが算定するか共有した
- 摘要欄に死亡年月日(必要に応じて死亡前24時間以内の訪問日時)を入れた
- 診療録に診療内容の要点と、本人・家族等との話し合いの記録がある
よくある質問
Q. 退院後、訪問診療を1回行っただけで亡くなりました。在宅ターミナルケア加算は算定できますか?
A. 死亡日と死亡日前14日以内の15日間に退院時共同指導料1を算定していれば、訪問診療1回でも対象になります。退院時共同指導料1を算定していない場合は、15日間に往診または訪問診療が合わせて2回以上必要です。訪問診療を始める前に往診だけで看取った場合は、往診料の在宅ターミナルケア加算(退院時共同指導料1の算定が前提)を確認してください。
Q. 自宅で急変して救急搬送され、病院で亡くなりました。どの加算が対象になりますか?
A. 往診または訪問診療を行った後24時間以内に在宅以外で死亡した場合は、在宅ターミナルケア加算の対象に含まれます。この場合は摘要欄に、死亡年月日に加えて死亡前24時間以内に行った訪問診療の年月日と時刻を記載します。看取り加算は患家で看取った場合、死亡診断加算は在宅で死亡した場合の加算なので、病院で亡くなったケースは要件に当たりません。
Q. 連携型の機能強化型在支診として届け出ています。機能強化型の点数で請求できますか?
A. 令和8年6月以降は、連携型のうちア(普段から訪問診療を行う医師による連続24時間の往診体制を月4回以上確保するなどの要件を満たすもの)に該当する場合だけが、機能強化型の点数の対象です。イに当たる場合は在支診としての点数になり、在宅ターミナルケア加算は4,500点です。アは施設基準通知で「新設された又は施設基準が創設された」ものとされ、届出が必要です。自院がアとして届け出ているかを届出書の控えで確認してください。
Q. 自院の看護師と訪問看護ステーションの両方が訪問していました。看護側は両方算定できますか?
A. できません。訪問看護ステーションがターミナルケア療養費を算定している場合、医療機関は在宅患者訪問看護・指導料の在宅ターミナルケア加算を算定できず、その逆も同様です。どちらが算定するかを事前に取り決めておきます。
まとめ
在宅ターミナルケア加算は死亡日から暦日でさかのぼる15日間の関わり、看取り加算は死亡日に患家で看取ったこと、死亡診断加算は死亡日の死亡診断を評価する加算です。看取り加算と死亡診断加算は同時に算定できませんが、在宅ターミナルケア加算は要件を満たせば看取り加算と併せて算定します。令和8年度改定では、在宅医療充実体制加算の上乗せが2,000点になり、連携型機能強化型在支診のうちイに当たる医療機関は在支診としての点数になりました。訪問看護側の評価は1か所でしか算定できず、月をまたぐ請求の扱いは資料で直接定められていない部分もあります。死亡日・時刻・場所と15日間の訪問日を一覧にしてから請求に進むことが、取りこぼしと返戻を防ぐいちばんの近道です。
参考資料
- 令和8年度診療報酬改定について(厚生労働省、2026年)
- 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号)別表第一 医科診療報酬点数表(厚生労働省、2026年3月)
- 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(保医発0305第6号)別添1 医科診療報酬点数表に関する事項(2026年10月7日訂正反映)(厚生労働省保険局医療課、2026年3月)
- 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(保医発0305第8号、2026年10月7日訂正反映)(厚生労働省保険局医療課、2026年3月)
- 訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第74号)(厚生労働省、2026年3月)
- 訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(保発0305第19号、2026年4月2日訂正反映)(厚生労働省保険局、2026年3月)
- 「診療報酬請求書等の記載要領等について」等の一部改正について(保医発0327第2号)別添1(2026年10月7日訂正反映)(厚生労働省保険局医療課、2026年3月)
- 同 別表Ⅰ 診療報酬明細書の「摘要」欄への記載事項等一覧(医科)(2026年7月30日訂正反映)(厚生労働省保険局医療課、2026年)
- 同 別表Ⅰ(訪問看護)(2026年6月19日訂正反映)(厚生労働省保険局医療課、2026年)
- 疑義解釈資料の送付について(その4)(厚生労働省保険局医療課 事務連絡、2026年4月21日)
- 令和8年度診療報酬改定の概要 8.質の高い在宅医療の推進(厚生労働省保険局医療課、2026年)
本記事は2026年10月時点で公表されている資料をもとに作成しています。算定の可否は個別の状況で異なるため、最終的には告示・通知・疑義解釈や、管轄の地方厚生局・保険者にご確認ください。

